速い方がいい?遅い方がいい?
「筋肥大」に着目すると、いろいろなメソッドやプログラムが存在します。その中でもみなさんが気になっているのは、レップテンポではないでしょうか。
1レップを速くこなす方がいいのか、ゆっくりこなす方がいいのか。
今日はレップテンポに焦点を当てます。
ファストレップとスローレップ
ファストレップのメリット
ファストレップは、速いテンポで行うレップです。
速いテンポでセットをこなすメリットは、より多くのレップをこなせたり、より重い重量を扱えることです。
スローレップのメリット
ゆっくりとしたテンポで行うレップ法。
スローレップでトレーニングを行なうメリットは、TUT(Time Under Tension)が長いことです。
筋肉の緊張状態を維持することで、筋肉中のエネルギーを枯渇させ、微細な筋肉も破壊することができます。
2012年の研究
2012年のハーマンさんによって行われた研究では
スローレップ(10秒で下ろして4秒で挙げる)とファストレップ(1〜2秒で下ろして挙げる)でレッグプレスを行った時の筋肥大を比較しました。
ファストレップで行ったグループは平均で39%大腿四頭筋が筋肥大しました。
しかし、TUTが5倍近くあるスローレップはたったの11%しか筋肥大していなかったのです。
この研究の欠点は、スローレップの長さです。
1レップに14秒もかけませんよね。
「ファストレップの方が効果的という説を裏付けることはできない」でしょう。
1999年の研究
少しさかのぼって、1999年に公開された研究を見てみましょう。
ベンチプレスにおいて、スローレップ(55%1RM・5秒で下ろして5秒で挙げる)とファストレップ(85%1RM・できるだけ早く挙げ下げ)の筋肉への刺激の強さを比較しました。
結果は、ファストレップと比べて、スローレップは36%も刺激が弱かった。
それでも1レップに10秒間もかけるのは長いですね。
✅ 二つの研究を経ての考察 ✅
「TUTが筋肥大に不可欠なのは間違いないが、1レップが長すぎると扱う重量が軽くなるため、筋肉への刺激が小さくなってしまい、筋肥大への効果が薄れる。1レップに10秒間以上かける必要はない。」
2016年のメタ分析
メタ分析とは、複数の研究結果を分析すること。
ションフェルドさんによって行われたメタ分析で結論づけられたのは
「1レップ2〜6秒間で行うと筋肥大に最も効果的」というものでした。
そして1レップ2秒と1レップ6秒の比較も行ったところ、わずかに1レップ2秒の方が筋肥大に効果的だということがわかりました。
留意点
⚠️ 筋肥大=筋力アップではない。これらの研究は筋肥大に着目していた。
⚠️ 研究結果には、あくまで個人差があります。1レップ2〜6秒間を試して、最も自分にあったものを探してみてください。
考察
管理人の考察としましては、10秒間かけて1レップがこなせるということは、扱っている重量が軽すぎることを示唆していると思います。
ネガティブトレーニングが筋繊維を破壊するのに効果的なのはみなさんご存知の通りです。
つまり、
「スローレップは筋肥大に効果はない」と断定できない。
ですが、1レップに10秒以上かけるトレーニングは、筋肥大を狙うには強度が薄すぎるといえるでしょう。
スローレップとファストレップで迷ったら、1レップ2〜6秒を意識してトレーニングしましょう。
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