ポーズレップとは
ポーズレップとは、筋力トレーニングのテクニックです。ベンチプレスやスクワットなどのコンパウンド種目で用います。
ボトムで1〜3秒間静止した後に挙上するレップ。これがポーズレップです。
これがポーズレップの例になります。
世界記録を持つラッセルも用いるポーズレップ
Russel Orhiiは83キロ級パワーリフティングで世界記録を保持している。
2019年のスウェーデンで行われたパワーリフティング世界大会で83キロ級に出場し、BIG3合計で833kgの結果を叩き出しました。彼も御用達のトレーニング方法で、ビッグ3を効果的に伸ばすためには欠かせないテクニックです。
ポーズレップのやり方
① 重量は3RMの80-90%の重量で1〜3レップ。
② スクワットのボトムまでしゃがんだら、そこで1〜3秒静止する。
③ 静止したら爆発的に挙上します。
④ 腹圧を入れ直して、繰り返す。
ポーズレップの効果・メリット
体幹の強化
ポーズレップでは体幹を強化します。スクワットやベンチプレスのボトムポジションでは腹圧が重要です。この腹圧を入れる時間が単純に長くなるので、体幹部を強化するのです。
体幹部の強化は怪我を予防するだけでなく、アイソレーション種目のパフォーマンス向上にもつながるので重要な要素。腹圧を入れるテクニックもきちんと学びましょう。
ボトムでの筋力の強化
ボトムでの筋力を強化します。スクワットやベンチプレスのボトムポジションはチートしやすいです。スクワットならボトムでお尻をバウンドさせたり。ポーズレップでは、ボトムポジションでチートすることなく爆発的な力を発揮しなければいけないので、純粋なボトムでの安定性を高めます。
フォームを安定させる
ポーズレップでフォームの安定感を向上できます。ポーズレップで意識するのは、ボトムポジションで小刻みな運動をゼロにすること。キツくなってくるとボトムポジションで軽い上下運動をしやすいです。ですが、この動きを最小化するのです。
そうすることで、ボトムポジションでの安定感が格段に上昇します。
ポーズスクワットの解説
正しいポーズスクワット
- ポーズスクワットの一連の動作は、通常のスクワットと変わらない。
- 大胸筋中部の高さにバーをセットアップする。低すぎたり高すぎるとラックアップに余分な筋力が使われる。
- 親指を回してバーを肩幅で握った後に、バーをくぐる。握った後にくぐることで胸が張りやすい。
- 僧帽筋と肩甲骨の間にバーが来るように位置を調節する。(ハイバーで行う際は、僧帽筋の上に乗っけて良い。)
- 肩がすくまないように意識して、肩甲骨だけ強く寄せる。
- ラックアップしてから3歩後ろに退く。この時、足幅は肩幅よりも広くとる。
- つま先の角度はまっすぐor 15-30度外に向ける。
- 大きく息を吸ってお腹に空気を溜めた(腹圧を高める)あとに、股関節と膝を同時に曲げる。
- ボトムポジションは、地面と平行より下になるまで。(膝よりお尻が下がっている状態)
- ボトムで背中はピンと張り、足裏全面で体を支え、腹圧が入っていることに意識を向ける。ポーズしている最中は、一切動いてはいけない。
- 挙上する。挙上の局面では全身全霊で挙上する。自分の体が爆発するかのような勢いで。
- 特に体幹の力を緩めてはいけない。
- 挙上後息を吐き、再度息を吸って腹圧を高める。この1連の動作を反復する。
よくあるエラー
静止できていない。ボトムポジションで小刻みに上下運動をしてしまうことです。このエラーは本当によくある間違いで、気をつけなければいけません。どうしても動いてしまう時は、重量を落としましょう。
ポーズの時間が短い。想像以上に自身がポーズできていないことがあります。自身の感覚ではすごい長い時間静止したと思っていても、はたから見るとそうでもないことの方が多いです。これでもか!というまで静止しましょう。
ポーズベンチプレスの解説
- 自身が扱いやすい高さにバーベルをセットアップする。
- ベンチに横たわり、肩甲骨を最大限に寄せる。トレーニング中いかなる時もこの肩甲骨を寄せた状態は維持する。
- バーを力強く握る。この時の手幅は肩幅よりも広くなっていることを確認する。
- サムレスグリップで握ってはいけない。きちんと親指を回す。
- つま先が膝の真下に来るように足の位置を確定する。
- バーをラックから外して、腹圧を高める。
- そして、大胸筋下部のラインまでバーを下ろすが、この時肩甲骨は寄せた状態であることを忘れてはいけない。
- ボトムポジションでバーを静止させる。この時、わきが開きがち。きちんと締める。そして、なるべく胸で支えなようにする。
- そして爆発的な力を意識して、全身全霊で挙上する。レッグドライブを活用しても良い。だがお尻は浮いてはいけない。レッグドライブとは足を踏ん張ること。
- 挙上するときに軌道は垂直方向ではなく、顔面方向に押す意識を持つ。
- 腹圧を入れ直して、反復する。
よくあるエラー
アーチ不足。アーチに関しては腰の柔軟性がとても大切です。毎回のトレーニングでできるだけ腰の柔軟性を高めるべく、練習を重ねましょう。腰を反るときは腹圧を忘れてはいけません。腹圧が抜けた状態での反り腰は腰痛を誘発します。
肘が開く、わきが開く。ボトムポジションでヒジ・わきが開くエラーです。わきを力強く締めて、ヒジが開かないように行います。通常のベンチプレスでも同じで、挙上するときにあからさまにヒジが開く人は修正が必要です。
ベンチプレス専用のプログラム
あまり知られていませんが、ベンチプレス専用のグエンプログラムを紹介しています。
筋肥大ではなく、神経系にアプローチするプログラム構成です。グエンプログラムを徹底解説している記事があるので、ぜひチェックしてみてください!
よくある質問
どうやって取り入れるべきですか?
2つのパターンがあります。
① ポーズレップをメインスタイルとして、トレーニングする方法。つまり、毎回のトレーニングでポーズレップを中心に鍛える方法です。フォームの安定性やボトムでの筋力がどんどん強くなるのがこの取り入れ方。
② もう一つは、ポーズレップを定期的に取り入れる方法。プラトー期に入ったときや新しい刺激を与えたいときに、取り入れるのです。ポーズレップは、通常の動作とは異なり爆発的な力を要します。停滞打破やマンネリ打破に効果的です。
どのくらいの重量を扱うべきか?
通常のスクワットやベンチプレスで扱っている重量を扱うことはできません。10〜20パーセント軽い重量を扱うようにします。重すぎるとボトムポジションで十分な時間ポーズできなかったり、ブレたりします。
どれくらいのレップ数を行なうべきか?
爆発的な力を要するので、神経系を発達させます。神経系には持続力が低いので、4−6レップが基本となります。多くても8レップまでです。
通常のスクワット・ベンチプレスでは強化できない
通常のスクワットやベンチプレスでは、ボトムの筋力を強化できません。
通常のスタイルで行うと、ボトムポジションを維持する時間は0.1秒ほどでしょう。この時間しかボトムポジションで力を入れられないのに、ボトムを強化できると思いますか。できませんよね。
そこで活躍するのがポーズスクワット・ポーズベンチプレスなのです。
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